東京大空襲の証言映像や資料、デジタル化し活用へ 都が方針表明

東京都は24日、20年前に集めた300人以上の東京大空襲の証言映像や資料について、デジタル化を進める方針を表明した。平和行事の検討委員会で明らかにした。今後は資料の活用に向けて証言者らの意向確認を進める。
都は平和祈念館建設を視野に1990年代に遺品の寄贈などで5000点を超える資料を集め、330人の空襲体験の証言ビデオも撮影した。しかし、歴史認識のあり方を巡って都議会に慎重論があり、建設は今も実現していない。収集資料は大半が非公開のままで、戦争体験者などから活用を求める声が上がっていた。
24日の検討委員会で、担当者は「都民の平和に対する意識が高まっている今、戦争の記憶を風化させないためにも資料の活用を進める必要がある」と説明した。
「東京都平和祈念館(仮称)建設をすすめる会」世話人の石山久男さん(86)は「劣化を防ぐためにもデジタル化は必要で、活用の幅が広がるのは貴重な一歩だ」と話した。【竹内麻子】