国内原発で初の抜き打ち「行動観察」…規制委、テロ対策不備の柏崎刈羽で所員対象に

テロ対策に重大な不備が見つかった東京電力柏崎刈羽原子力発電所(新潟県)について、原子力規制委員会は近く、同原発で所員の行動や会話をチェックする「行動観察」を抜き打ちで行う方針を決めた。意識改革が進み、安全を重視する姿勢が浸透しているかどうかを見極めるのが目的。行動観察は、米原子力規制委員会(NRC)で採用されているが、国内原発の検査で導入されるのは初めて。
行動観察の導入は、東電の再発防止策をまとめた「改善措置計画」を調べる追加検査の一環。今秋にも規制委は追加検査を終え、その後、東電の対応が妥当かどうかを判断し、昨年4月に出した事実上の運転禁止命令を解除するかどうか決める。
行動観察は、職場文化や社員の潜在意識を調べる調査方法として米国で普及している。規制委は東電の再発防止策のうち、職員の意識向上といったソフト面での取り組みについて行動観察を適用する。
同原発では、所員が他人のIDカードで中央制御室に不正に入った問題などが発覚。東電は、一連の問題の背景に、東京本社に現場の意見が届かなかったり、協力会社の社員が東電社員に遠慮したりする風潮があったとして、所内の意識改革を目指している。
これについて規制委は検査チームの職員6人を派遣。原発所員を見守り、会議や電話の内容などから所員の意識や所内の雰囲気を調べる。「自由に意見交換し、活発な議論を交わしているか」「協力会社の意見を聞き、業務に生かしているか」などの観点から確認する。6人全員が「改善した」と判断するまで続ける。