外国人旅行客への免税販売を装い、消費税の還付など計約9千万円を不正に受けたとして、大阪地検特捜部は1日、消費税法違反などの疑いで、大阪市北区の不動産賃貸会社「桜花(おうか)商事」社長で中国籍の劉暁琳(リュウキョウリン)容疑者(40)=同市阿倍野区=ら男女5人を逮捕した。
他に逮捕されたのは、同市西区の輸出販売会社「福和楽(ふくわらく)」社長で中国籍の陳鋒(チンホウ)容疑者(34)と同市中央区の貿易会社「雅美(まさみ)生活」社長、新木才栄(さいえい)容疑者(38)=同市天王寺区=ら。特捜部は5人の認否を明らかにしていない。
特捜部によると、5人は外国人観光客に免税品を販売する際、消費税を受け取らない代わりに商品の仕入れで支払った消費税分の還付を受けられる制度を悪用。免税販売事業者は購入者の情報を保存する必要があるため、第三者のパスポートの写しを用意し、旅行客への売り上げを偽装したとみられる。
劉容疑者と新木容疑者の逮捕容疑は平成30~令和元年、架空の仕入れや売り上げを計上し、消費税約8千万円の還付を受け、陳容疑者の逮捕容疑は平成29年、同様の手口で約900万円の還付を受けたとしている。特捜部は1日、関係先を家宅捜索した。