給付金詐取、手配の男逮捕 不正10億円

国の新型コロナウイルス対策の持続化給付金を詐取したとして、三重県の親子が逮捕された事件で、警視庁が詐欺容疑で指名手配していた父親の谷口光弘容疑者(47)について、インドネシア当局が8日、不法滞在容疑で逮捕したことが分かった。警視庁は日本への移送手続きを進める方針。
事件をめぐっては、警視庁捜査2課が今年5月、詐欺容疑で光弘容疑者の元妻、谷口梨恵容疑者(45)=三重県津市=と長男の大祈(だいき)容疑者(22)=同県川越町=、犯行時19歳の次男(21)=津市=の親子3人を逮捕していた。
捜査2課によると、光弘容疑者は令和2年10月にインドネシアに出国。警視庁などが現地の日本大使館を通じて、インドネシア当局に協力依頼をしていたところ、今月8日朝、警察庁などを通じて、光弘容疑者をスマトラ島南部ランプン州で確保したと連絡があった。入管当局が不法滞在容疑で逮捕したとみられる。
光弘容疑者は詐欺グループのリーダーで、交流サイト(SNS)やセミナーを通じて、コロナ禍で収入が減った個人事業主らに見立てる虚偽の申請者を集め、手続きを代行していたとされる。
グループは令和2年5~9月、計約1780件の不正申請を繰り返しており、詐取総額は少なくとも約9億6千万円に上るとみられている。