こつ然と消えたカルガモの卵10個、深まる謎「何の痕跡もなく違和感」

宮城県利府町役場の敷地内から、こつ然と消えたカルガモの卵10個。謎は深まるばかりだ。(吉田一葵、奥田樹)

メスのカルガモが庁舎脇の植え込みで卵を温めているのが発見されたのは今月4日。最後に警備員が確認した8日午後9時から、熊谷大町長が卵が消えているのを見つけた翌9日午前7時40分頃の間に何があったのか。
一つは動物が食べた可能性だ。町内ではヘビやタヌキがよく見かけられる。宮城県自然保護課によると、卵を捕食する動物としては他にカラスやイノシシも考えられる。
だが、巣には荒らされた様子がない。食べ残しの殻もない。同課の担当者は「何の痕跡もないのは違和感がある」と言う。

もし人間が卵を持ち去ったなら、鳥獣保護法違反になる可能性がある。
カルガモは同法で「狩猟鳥」に指定され、県に狩猟者登録していれば冬場の猟期に狩猟できる。ヒナや卵は電柱に巣を作って送電に影響がある場合など、人の生活に影響を及ぼすケースで「許可捕獲」を行える。
だが、今回巣を作ったのは庁舎脇の植え込み。同法違反は1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられる。宮城県警塩釜署によると、卵を盗む目的で夜間に役場敷地に入れば住居侵入容疑の可能性もある。
ただ、町職員は「人が盗んだとは考えたくない」と言う。事件を受けて町には「かわいそう」「巣に防犯カメラを付けるべきだった」という意見が数件届いた。熊谷町長は「動物に限らず、想定外ということがないように取り組む」と述べた。