高松市の自宅で昨年6月、同僚の男性をクロスボウ(ボウガン)で殺害し、遺体を香川県綾川町の山中に遺棄したとして、殺人と死体遺棄の両罪に問われた元会社員、水口豪太被告(25)の裁判員裁判の初公判が13日、高松地裁(近道暁郎裁判長)であった。水口被告は「間違いないです」と起訴事実を認めた。検察側は動機について、「好意を抱いた同僚女性と親しい被害者に対し、嫉妬心を抱いた」と主張した。(畝河内星麗、黒川絵理)
起訴状では、水口被告は昨年6月20日、高松市国分寺町の自宅で、クロスボウの矢を発射し、
小比賀
(おびか)玲央さん(当時27歳)の頭に命中させて殺害。遺体を車で綾川町の雑木林に遺棄した、としている。
検察側や弁護側の冒頭陳述によると、水口被告は2012年、高等専門学校のサークルで小比賀さんと知り合った。卒業後、就職先を探していた小比賀さんに対し、勤務する電子部品メーカーを紹介。20年8月に同僚となった。
検察側は、水口被告は20年11月頃から同僚の女性に好意を持ち、女性と仲の良かった小比賀さんに嫉妬した、と指摘。21年2月頃からインターネットで「火薬」や「神経毒」などを検索し、殺害を計画していたとした。
事件の1週間前には、ネットでクロスボウ2丁を購入。事件当日の朝には遺棄現場付近を下見し、墓地でクロスボウの試し撃ちをした上、犯行後も小比賀さんになりすましてSNSを更新していたなどと述べた。
一方、弁護側は、水口被告の親友だった小比賀さんが、同僚になってから態度が一変したため、被告は傷ついていたと主張。犯行のきっかけは、事件当日、自宅を訪れた小比賀さんに頼まれ、エアガンを部屋に取りに行く際、「遅い」と言われたことだったと反論した。
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水口被告は黒縁のめがねにマスクを着用し、白いシャツに黒いズボンで出廷。罪状認否などでは、近道裁判長からの問いかけに小さな声で答えた。検察側の冒頭陳述はひざの上に手を置き、うつむきながら聞いた。
弁護側が冒頭陳述で「どこにでもいる普通のおとなしい青年だ」「(小比賀さんとの関係を)誰にも相談する勇気がなかった」などと語ると、顔を紅潮させる場面もあった。法廷では、水口被告が自身を撮影した、1人で悩みをつぶやく動画が再生された。
公判は15日に結審し、判決は20日に言い渡される予定。