西日本ももうすぐ梅雨明け? 水不足の懸念強まる 既に一部制限

気象庁は27日、関東甲信、東海、九州南部の梅雨明けを発表した。関東甲信では1951年に統計を取り始めて以降最も早く、東海、九州南部も含め梅雨の期間は過去最短だった。今回梅雨明けとならなかった九州北部など西日本の他の地域も晴れが多い予報となっており、梅雨明けが早い可能性がある。一方で、月の降水量が例年の半分にも満たない地域もあり、水不足の懸念が強まっている。
福岡県添田町の「油木ダム」(有効貯水量1445万トン)は6月3日に貯水率が20%を切り、20日に一時13・5%にまで下がった。その後の降雨で27日には20%台まで回復したが、平年の50~60%程度の貯水率に比べて極端に低い水準は変わらない。
市民生活への影響も出始めており、取水する同県行橋市と苅田町では10%の減圧給水に踏み切った。広報車やビラ配布を通して節水を呼びかけているものの当面は晴天が続く予報で、行橋市は貯水率が10%前後になったら、苅田町は10%を下回り次第、減圧給水を15%に引き上げることにしている。小中学校のプール授業実施も見合わせており、行橋市教育委員会の関係者は「過去2年間は新型コロナウイルス下でプール授業がなかったので、子供たちも楽しみにしていたと思う。かわいそうだけど仕方ない」と肩を落とす。
これまでも水不足に悩まされてきた福岡県では6月11日に梅雨に入っても雨が降らない日が多く、県によると、27日現在で主要21ダムの貯水率は59・7%と例年より20ポイント程度低い。ただ、2021年1月から複数の大型ダムの運用が順次始まっていることもあり、全体の貯水量は前の年の同じ頃より3割近く多い。県の担当者は「現時点で直ちに水不足になるという状況ではないが、このまま雨が降らないと影響が出る可能性はある」と話す。
気象庁によると、降水量が少ない地域は西日本に集中しており、6月26日までの1カ月の降水量は平年比で、和歌山県有田川町清水34%▽高松市香南町30%▽愛媛県四国中央市34%▽岡山県笠岡市44%▽福岡市53%――と厳しい状態だ。岡山県では旭川水系のダム貯水率が低下しているため、7月4日からの取水制限を決めた。愛媛県では三つのダムで上水道10%、工業用水35%、農業用水5%の取水制限を実施している。
今後の天気はどうなるのか。気象庁は異例の早さの梅雨明けになった要因として、日本付近で偏西風が北寄りに流れ、太平洋高気圧が西への張り出しを強めたことを挙げる。近畿、中国、四国、九州北部の梅雨明けについても今後の予報を基に判断するが、全国的に向こう1カ月の降水量は平年並みか、平年より少ない見通しだ。
一方、南シナ海には気圧の低い「低圧部」ができており、台風の発生に注意が必要という。晴れの日が続いても前線が再び活発化して「戻り梅雨」になる可能性もあり、大雨への警戒を緩めるのは危険だ。気象庁の担当者は「21年8月のように、ここ数年は梅雨の時期でなくても大雨による災害が発生している。夏場は暖かく湿った空気が入りやすく、線状降水帯のように大雨を降らせる可能性がある。油断することなく最新の気象情報を確認してもらいたい」と呼びかける。【中里顕、山崎あずさ】