コロナ感染状況「全国的に上昇傾向に転じた」 専門家組織が評価

厚生労働省に新型コロナウイルス対策を助言する専門家組織「アドバイザリーボード」(AB)は30日、全国の感染状況について「全国的に上昇傾向に転じた」とする評価をまとめた。感染者数は減少傾向が続いていたが、29日までの1週間では前週比1・17倍と増加に転じた。前週から増加したのは29都府県に上った。
厚労省によると、地域別では大都市で上昇傾向が確認されており、首都圏では、東京都1・37倍▽千葉県1・27倍▽神奈川県1・25倍▽埼玉県1・13倍。関西圏では大阪府1・33倍▽兵庫県1・21倍▽京都府1・04倍――だった。ABは「今後も短期的に増加が見込まれる」と指摘している。
地方でも増加傾向が目立っており、前週からの感染者数の伸び幅が最も大きかったのは島根県(2・92倍)で、隣接する鳥取県(1・6倍)も増加している。九州地方の増加が顕著で、宮崎県(1・53倍)をはじめ、佐賀県(1・42倍)、熊本県(1・39倍)など、鹿児島県を除く7県で増加した。
全国的にほぼ全ての年代で微増しており、東京都では20代の増加幅が大きいという。
ABは増加の要因として、接触機会の増加とワクチンの感染予防効果の低下を挙げている。また、感染が広がりやすいとされるオミクロン株の派生型の「BA・5」への置き換わりが進めば、感染者数の増加につながる可能性があると指摘している。国立感染症研究所は30日、BA・5の感染者が占める割合は7月第1週に24%となり、第2週には5割を超えるとの推計を示した。
座長の脇田隆字・国立感染症研究所長は30日の記者会見で「感染拡大傾向に入ってきた。医療、検査、保健所の体制の再点検が必要だ」と述べた。【神足俊輔】