東京都江戸川区の路上で特定抗争指定暴力団・山口組の関係者を刃物で刺したとして、警視庁暴力団対策課は12日、特定抗争指定暴力団・神戸山口組若頭補佐で2次団体「英(はなぶさ)組」組長の藤田恭右(やすみち)(50)=神戸市中央区下山手通8=と、英組関係者でフィリピン国籍のミヤザキ・アレン・アイボリー・ロルベス(37)の両容疑者を傷害容疑で逮捕した。同課は山口組の分裂を巡る抗争事件の可能性があるとみて調べる。
逮捕容疑は7月2日午後9時20分ごろ、江戸川区大杉3の路上で、山口組傘下組織の関係者の男性(41)の左脚を刃物で刺すなどして全治2週間のけがをさせたとしている。現場はミヤザキ容疑者の自宅近くだった。同課は2人の容疑の認否を明らかにしていない。
暴力団対策課によると、男性は救急隊員に「見知らぬ男に羽交い締めにされ、もう一人の男に刺された」と話し、駆けつけた警察官には「やった人間は逃げた」と説明した。現場にいたミヤザキ容疑者は「俺は関係ない」と話したが、付近の防犯カメラ映像などから両容疑者が浮上した。
全国では山口組と神戸山口組との抗争とみられる事件が相次いでいる。男性は被害状況の詳細な説明を拒んでいるといい、暴力団対策課は事件の詳しい経緯を調べている。