山上徹也容疑者の伯父(77)が15日、報道各社の取材に応じた。山上容疑者の母親が宗教団体「統一教会(現・世界平和統一家庭連合)」の活動や献金を始めたのは、山上容疑者が小学生だった1991年頃で、献金総額は1億円に上ると語った。献金による家族の困窮を理由に、山上容疑者が自殺未遂を起こしていたとも明かした。
母親の活動のきっかけについて、伯父は「(山上容疑者の)父親が84年に自殺し、(容疑者の1歳上の)兄が小児がんを患っていたことにショックを受けていた」などとした。
母親は1000万円単位で献金し、94年頃までの約3年間で計6000万円に達した。父親の生命保険金から支払ったという。99年には山上容疑者の祖父から相続した不動産を売却し、4000万円を献金した。
伯父は一家を経済的に援助していたが、母親が献金に回してしまうため、94年頃から支援をやめたと説明。その後、山上容疑者の兄から伯父に「食べるものがない」と連絡が来るようになり、生活費や缶詰などの食料を送っていたという。
山上容疑者は経済的な理由で大学進学を断念し、2002年に海上自衛隊に入隊した。
一方、母親は02年に破産宣告を受けた後も献金を続けていたといい、統一教会の本部がある韓国にもたびたび訪れていた。山上容疑者が自衛隊入隊中の05年1月に自殺未遂をした時も訪韓中で、伯父が連絡しても帰国しなかった。山上容疑者は後に、「献金で困窮した兄と妹に自分の生命保険金を渡そうと思った」と自殺しようとした理由を明かしたという。