山口市小郡地域で猿が住民を襲う被害が相次いでいることを受け、山口県と市、県警は22日、県庁で対策会議を開き、麻酔銃を使って猿を捕獲する方針を申し合わせた。市がすでに鳥獣対策の専門業者に委託し、麻酔銃を使う場所や日程を調整しているという。
人を襲っているのは群れからはぐれた野生のニホンザルとみられる。山口南署の発表によると、21日昼から22日朝にかけて小郡新町などで、6歳男児や70歳代女性ら新たに4人が脚をひっかかれたり、かみつかれたりしており、23日には山口市小郡地域で男児(10)が背後から襲われ、左手をかまれたり、左脚をひっかかれた。猿によるけが人は30人となった。
22日の会議では、鳥獣保護法に基づく県の許可を、専門業者を通じて市が21日付で取得したことを報告した。現場周辺のパトロールを強化することも確認。市農業政策課の河原泰之課長は「設置したわなにはかからないので、麻酔銃で早急に捕まえたい」と語った。