総額1億円寄付を目標とする男性、4年前から市に毎年1千万円…気力・体力の低下が契機

牧場などを営む佐賀県伊万里市黒川町の松尾勝馬さん(74)が続けてきた同市への寄付が、目標とする総額1億円の折り返し点に立った。2018年から毎年1000万円ずつ寄付し、今年6月で累計5000万円に到達。公益への多額な私財寄付をたたえられ、2回目の紺綬褒章を受章した松尾さんは「有言実行。あと5年頑張らんば」と自らを奮い立たせている。(喜多孝幸)
1965年に5頭の和牛肥育からスタートした松尾さん。現在は約2200頭の黒毛和牛を育てる。「伊萬里牛」のブランドを確立し、焼き肉店「勝」をグループが経営していることでも知られる。
加齢に伴い気力や体力の低下が近年気になっていた。「何も目標がなかったら、事業の一線に立ち続けるのが難しくなる」と多額の寄付を思い立った。一度に提供するよりも、「毎年稼いで捻出するんだ」という気持ちを大切に継続してきたという。
この寄付に関連する褒章は2019年に初めて受けた。その後も毎年受章を打診されてきたが、今回は「目標を半分達成した」との節目とあって受けたという。6月30日に伊万里市役所で行われた伝達式で、深浦弘信市長は「健康に気をつけられて、一緒に市の発展にご尽力を」と謝辞を述べた。市は寄付金を新規就農者支援や繁殖牛の導入などに活用している。
1億円寄付の挑戦には「じいさんを超えろ」という4人の孫へのメッセージを込めている、と松尾さんは明かす。「孫たちに自分の存在感を示したい」と目標完遂への意欲を見せた。