大阪府富田林市の集合住宅で2歳女児が熱中症で死亡した事件で、女児を拘束して死なせた疑いが強まったとして、大阪府警は8日、祖母の小野真由美(46)と内縁の夫の桃田貴徳(50)の両容疑者=いずれも保護責任者遺棄容疑などで逮捕=を逮捕監禁致死の疑いで追送検した。府警は身動きできない女児が脱水症状に陥り、死亡したとみている。
両容疑者の携帯電話の捜査で、2021年6月ごろに女児が下半身を粘着テープで縛られている写真が残されていることも新たに判明した。真由美容疑者は逮捕当初、「21年末ごろから手足を縛るようになった」と説明していたが、府警は拘束が約1年前から始まったとの見方を強めている。
送検容疑は6月27日夜~29日昼ごろ、小野優陽(ゆうは)ちゃんの手足をテープで縛り、板で四方を囲んだベビーサークル(高さ88センチ)に監禁し、熱中症で死なせたとされる。真由美容疑者は黙秘し、桃田容疑者は「私は縛っていない」と容疑を一部否認しているという。
府警捜査1課によると、優陽ちゃんは同29日昼ごろに死亡した可能性が高い。真由美容疑者は逮捕当初、「27日の外出時に縛って自由に動けないようにした」と供述。室内からは3分の2以上が使われたテープ2個が押収された。解剖医からも「縛られたことで自由に水分が取れなかった」との見解を得られたことも踏まえ、府警は拘束と死亡の因果関係が強まったと判断した。
優陽ちゃんを監禁したとされる27~28日、真由美容疑者らは大阪市此花区の「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)」近くのホテルに宿泊していたことが分かっており、28、29日にはUSJで遊んでいた。29日夕、自宅に残されていた真由美容疑者の四男(16)が優陽ちゃんの異変を知らせるまで帰宅していなかったとされる。
真由美容疑者らは29日の約11時間にわたり優陽ちゃんを置き去りにしたとして保護責任者遺棄容疑で逮捕された。刑事処分は保留されたが、24~27日にも閉じ込めたとする逮捕監禁容疑で再逮捕された。今回の追送検分も含め、大阪地検堺支部は勾留期限となる今月10日に刑事処分を判断するとみられる。【郡悠介、洪香】