コロナ感染者の全数把握 尾身氏「重症化リスク高い人は必要」

政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長は17日、感染者の全数把握を巡り、「重症化リスクの高い人らは今まで通りにしなければいけない」との専門家としての考え方を加藤勝信厚生労働相に伝えたことを明らかにした。政府は現在の第7波の収束後、全数把握を取りやめる方向で検討しており、8月中にも具体的な方向性をとりまとめる見通し。
尾身氏は専門家数人とともに加藤氏と意見交換した後、記者団の取材に応じた。尾身氏によると、全数把握について専門家側から「(やめれば)データの質は落ちる。それを乗り越えるための方法を、かなり集中的に議論する必要がある」との意見が出たという。また、専門家と政府、地方自治体の関係者らによる議論が不可欠だとした。
尾身氏は「感染のレベルを正確にモニター(監視)できる仕組みが必要だ」とし、新たな仕組みができるまでは「完全にやめるのは難しい」との認識を示した。一方で、「検討はなるべく早くやった方がいい」と述べた。
加藤氏は会合の冒頭で、「(岸田首相から)対策について段階的な見直しを行い、一日も早い社会経済活動の正常化を目指すように指示を受けた」と述べた。
全数把握の見直しは、コロナ対応の緩和に向けた専門家有志の提言に盛り込まれているほか、全国知事会長の平井伸治鳥取県知事らも要望している。【神足俊輔、原田啓之】