名古屋市緑区の特別養護老人ホーム「緑生苑」で2021年3月にショートステイを利用していた高齢女性が搬送後に死亡する事件があり、愛知県警は17日、元職員の福島栄行容疑者(34)=同区鳥澄2=を傷害致死容疑で逮捕した。
逮捕容疑は21年3月5~6日、施設内で角谷三枝子さん(当時81歳)の両足や背中、腰を足蹴(あしげ)にするなどの暴行を加え、死亡させたとしている。
角谷さんの身に一体何があったのか。毎日新聞が情報公開請求して開示された資料などから、事件前後の状況が明らかになった。
資料は、施設側が職員への聞き取り調査の結果をまとめ、名古屋市に提出した報告書。それによると、夜勤時間帯は各フロアに職員が1人配置され、有事対応のため全フロアを担当する職員がほかに1人いた。
21年3月5~6日、死亡した角谷さんがいた3階の担当が福島容疑者だった。午前0時から約1時間半は福島容疑者が仮眠のため離れ、全フロア担当の職員が角谷さんの様子を確認していた。
角谷さんのベッドにはセンサーが付いており、ベッドから離れるとセンサーが鳴り、職員が様子を見に行くようになっていた。同5日午後10時から6日午前4時すぎにかけて、センサーは8回鳴った記録があり、その都度、福島容疑者らが対応にあたった。関係者によると、実際はこの8回以外にも、頻繁にセンサーが作動していたという。
6日午前3時すぎまで角谷さんに異変はなく、歩行状態も安定していた。ところが午前4時ごろ「足が痛い、頭も痛い」と訴えた。左こめかみに内出血があり、歩けなくなっていた。
午前7時半ごろ、看護師が両足の広範囲に内出血を確認。角谷さんが痛みを強く訴えたため、約1時間後に119番した。搬送時は意識があり会話もできたが、7日に容体が急変して死亡した。【森田采花】