名古屋市北区の名古屋高速道路小牧線で愛知県営名古屋空港行きの大型バスが横転し、2人が死亡、7人が負傷した事故で、県警は30日、死亡した2人は、乗客で名古屋空港ビルディング社長、利光(りこう)克仁さん(64)=同市千種区=と、運転手でバス運行会社「あおい交通」(同県小牧市)社員、大橋義彦さん(55)=名古屋市守山区=と発表した。
県警によると、身元はDNA型鑑定で判明した。死因は焼死の可能性が高いという。利光さんは元々バス前部の席に座っていたが、遺体は後部で見つかった。利光さんは2018年6月から同空港を運営する名古屋空港ビルディング社長を務めており、当時は出勤途中だったとみられる。
事故は22日午前10時過ぎ、同線の豊山南出口付近で発生。同県豊山町の同空港に向かっていたバスは、この出口につながる本線右側の側道を走行中、何らかの理由で左に寄っていき、側道と本線を隔てる分離帯に衝突した。
捜査関係者によると、バスは事故現場の少なくとも数百メートル手前から左側に寄っていく不安定な走行をしていた。バスは横転後、本線上で炎上したが、火は前輪付近に設置された燃料タンクから出火し、数分で燃え広がったとみられる。利光さん以外の乗客はバス最後部の窓から逃げて無事だった。
県警は大橋さんが正常な運転ができない状態だったとみて、健康状態や勤務状況を調べている。【熊谷佐和子】