在日コリアンが集住する京都府宇治市のウトロ地区や、名古屋市の韓国関連施設に火を付けたとして、非現住建造物等放火などの罪に問われた奈良県桜井市の無職、有本匠吾被告(23)に対し、京都地裁(増田啓祐裁判長)は30日、求刑通り懲役4年の判決を言い渡した。
有本被告は判決前日の29日、京都拘置所(京都市伏見区)で記者の面会に応じ「(判決で言い渡される)刑はそこまで重いと思っていない。よほどでなければ受け入れる」と述べ、控訴しない意向を示していた。
有本被告は落ち着いた様子で30分ほど記者の面会に応じ、名古屋市中村区にある在日本大韓民国民団(民団)の系列施設に火を付けたことについて「民団と朝鮮総連(在日本朝鮮人総連合会)が同じだと思い込んでいた。自分の主張が誤りだったと認識した」と述べた。被害者側に謝罪文も送ったという。
一方、ウトロ地区に対しては「正直、(反感の)感情が残っている」と明かした。事件前にさまざまな情報収集に使っていたのは、インターネット掲示板やSNS(ネット交流サービス)、ニュースサイトのコメント欄などだったという。
自身への検察からの懲役4年という求刑については「少ない方なのかなと思っている。(控訴は)考えていない」と話し、判決が求刑を上回らなければ控訴しない考えを示した。【山崎一輝】