岸田首相は31日午前、首相官邸で記者会見し、新型コロナウイルスの水際対策を緩和し、9月7日から1日当たりの入国者数の上限を現行の2万人から5万人に引き上げると発表した。「世界平和統一家庭連合」(旧統一教会)と自民党議員の関係については「自民党総裁として率直におわび申し上げる」と陳謝した。安倍晋三・元首相の国葬(国葬儀)を巡り、国会の閉会中審査に自ら出席して質疑に応じる考えも明らかにした。
水際対策の緩和では、9月7日から、ワクチン3回目の接種証明があれば、入国・帰国者全員に義務づけてきた出国前72時間以内の陰性証明書の提示を不要とする。あわせて、全ての国を対象に、添乗員を伴わないパッケージツアーの受け入れを始めることも打ち出した。
首相は記者会見で、自身の新型コロナ感染を踏まえ、ワクチン接種について、「(ワクチンの)4回目接種を済ませていたことで軽い症状で済んだ」として、10月からの予定だった変異株「オミクロン株」対応の新たなワクチン接種開始を「さらに前倒しする」として、9月にも始めることを表明した。
旧統一教会や関連団体と閣僚や党所属議員との接点が相次いで判明していることについては、陳謝した上で、「過去を
真摯
(しんし)に反省し、しがらみをすて、団体との関係を断つことを党の基本方針として所属国会議員に徹底する」と述べ、党執行部に指示したことを明らかにした。
9月27日に行われる安倍氏の国葬では、報道各社の世論調査で賛否が二分されていることから、「意見、批判を真摯に受け止め、正面から答える責任がある。丁寧な説明に全力を尽くす」と述べ、国会の閉会中審査に出席して、自ら説明する考えを示した。