共通テスト流出 女子受験生に保護観察処分を決定 大阪家裁

大学入学共通テストの試験中に問題文を撮影した画像が外部に流出した事件で、偽計業務妨害の非行内容で家裁送致された女子受験生(19)について、大阪家裁(柴山智裁判官)は20日、保護観察処分にする決定を出した。
決定などによると、女子受験生は1月15日、事情を知らない東京大の複数の学生らに対し、インターネット通話アプリ「スカイプ」で世界史Bの設問の画像を送信。解答の返信を受け、大学入試センター(東京都目黒区)の業務を妨害した。
柴山裁判官は「希望する大学に合格したいとの思いに執着し、重大な非行に至った」と指摘する一方、「(事件について)真摯(しんし)に振り返り、内省を深めている」などとして、社会生活を通じて更生を図るのが相当だと判断した。
女子受験生は大阪府内の大学に通いながら共通テストを受験した。不正の発覚を受け、警視庁が2月に「保護観察相当」の意見を付けて書類送検。東京地検が翌3月に家裁送致した後、東京家裁から大阪家裁に移送されていた。【沼田亮、古川幸奈】