東京五輪・パラリンピックを巡る汚職事件を受け、出版大手「KADOKAWA」の夏野剛社長(57)が5日、東京都内で記者会見し、外部弁護士らによる調査の中間報告と、贈賄罪で起訴された角川
歴彦
(つぐひこ)被告(79)の会長辞任を発表した。中間報告は、同社から大会組織委理事だった高橋治之容疑者(78)(受託収賄容疑で再逮捕)の知人の会社への支払いについて、「贈賄と評価されうる疑わしい行為」と指摘した。
角川被告は、元専務・芳原
世幸
(としゆき)(64)、元担当室長・馬庭教二(63)両被告と共謀し、高橋容疑者らに計約6900万円の賄賂を渡したとして東京地検特捜部に4日に起訴された。
夏野社長は会見の冒頭、「信頼を裏切ることになり、深くおわび申し上げる」と謝罪。角川被告と松原真樹副会長(69)から辞任の申し出があり、5日の取締役会で承認されたと説明した。2人とも取締役にはとどまるという。
KADOKAWAは8月12日、外部弁護士らによる調査チームを設置。同チームは角川被告を含め社員延べ二十数人から話を聞き、社内の約17万件のメールなどを分析した。
中間報告によると、同社は、大会スポンサーになった2か月後の2019年6月、高橋容疑者側の要請で、知人が代表を務めるコンサルタント会社「コモンズ2」とコンサル契約を締結し、7665万円(税込み)を分割で支払った。だが、契約締結前の17年2月、KADOKAWAの法務部門は、高橋容疑者が「みなし公務員」の組織委理事であることを踏まえ、「贈賄に該当する可能性がある」と指摘していた。
調査チームの委員長を務める国広正弁護士は会見で、契約金額が高橋容疑者側の要請に基づいて決められたことや、契約に基づいて納入されたスポーツビジネスに関する冊子が社内の倉庫に保管され、利用された形跡がないことなどを問題点として挙げた。その上で、「支払いは極めて不透明で、不適切だ」と批判した。
一方、契約締結前の法務部門の指摘が角川被告に報告されたかどうかなどについては、「今後の裁判で明らかになること」と述べるにとどめた。