奈良県香芝市の一般廃棄物処理施設「美濃園」の工事を巡る贈収賄事件で、工事発注に便宜を図る見返りに業者側から約529万円の賄賂を受け取ったとして、収賄罪に問われた元香芝市議の北川重信被告(73)に対する初公判が14日、大阪地裁(岩崎邦生(くにたか)裁判長)で開かれた。北川被告は「賄賂ではない」として無罪を主張した。
検察側は冒頭陳述で、美濃園を運営する一部事務組合の議員として、清掃施設工事業者の元顧問(73)=贈賄罪で執行猶予付き有罪判決=から継続的に接待や金銭供与を受けていたと指摘。元顧問に依頼され、定期修繕工事の発注形式を随意契約から入札方式に変更し、他社の見積もりもとるよう組合側に働き掛けるなどしたと主張した。
一方、弁護側は「受け取ったのは借りた金で、便宜を図る見返りや謝礼としてではない」と反論。働きかけも存在しないとした。
起訴状によると、北川被告は平成30年3月~31年3月、内縁の女性と共謀し、美濃園の施設建て替え工事などの発注で便宜を図る見返りに、元顧問から計約529万円の賄賂を15回に分けて受け取ったとされる。
北川被告は昨年10月、大阪地検特捜部に逮捕され、その後起訴された。