佐賀・陸自ヘリ墜落 ボルト破断原因特定できず 最終調査結果を公表

佐賀県神埼(かんざき)市で2018年2月、陸上自衛隊のAH64D戦闘ヘリコプターが民家に墜落した事故で、陸自は27日、最終の調査結果を公表した。墜落につながった主回転翼付近のボルトが破断した原因は断定できず、さび防止剤の劣化による摩耗と、機体取り付け前に亀裂が入っていたとする二つの推定を併記した。陸自は部隊に再発防止策を徹底した後、事故後に飛行を停止している同型12機の飛行再開を検討する。
山本朋広副防衛相は27日、佐賀県庁で山口祥義(よしのり)知事に調査結果を説明した。
陸自によると、破断した「アウトボード・ボルト」は、4枚の主回転翼と機体をつなぐ「メインローターヘッド」の内部にあった。破断により回転翼1枚が機体から外れ、揚力を失って墜落した。操縦士の操作や整備のミスは否定した。
墜落現場からはボルトと一体となって動くピンが見つかり、表面のさび防止剤が固まった状態だった。このため陸自は、ピンが別の部品と固着したことでボルトがピンとこすれて削れ、亀裂が入るに至ったと推定した。
このヘッドは06年9月に初めて機体に取り付けられた。その後、今回のボルトとは別の部品に摩耗が見つかり、11~12年にメーカーの米ボーイング社が修理。陸自は修理後に約5年4カ月にわたって保管していた。事故機はヘッドを取り付けてから初の試験飛行中に民家に墜落。この家にいた小学生女児がけが、乗員の隊員2人が死亡した。
陸自は「米軍はヘッドを3年以上保管することはない。今回は前例のないこと」とする。一方でメーカーは保管期間を決めていなかった。整備でもヘッド内部は点検項目になっておらず、直前のボルトの状況は不明。同種ヘリを運用する米陸軍とボーイングがさび防止剤の劣化が原因とする内容を認めなかったこともあり、陸自は事故機への搭載前に亀裂が入っていた可能性も排除できないとした。
陸自は再発防止策として、ヘッドを機体に取り付ける前に内部に固着がないか確認し、超音波による非破壊検査も実施する。米軍も18年7月から非破壊検査をするように整備要領を見直している。保管も木箱から気密性が高い金属製コンテナに変える。【町田徳丈】