フィリピン人女性を経営するパブで働かせるため日本人男性との偽装結婚をさせたとして、大阪府警国際捜査課は27日、電磁的公正証書原本不実記録・同供用容疑で、大阪府泉佐野市のフィリピンパブ「ストーリー」経営、紙谷房尚(かみやふさなお)容疑者(49)=同市高松西=ら3人を逮捕したと発表した。
他に逮捕されたのは、いずれもパブの客だった同府岸和田市岡山町の土木作業員、松谷隆(62)と同市河合町の水道設備工、朝川純一(42)の両容疑者。いずれも容疑を認めている。
同課によると、紙谷容疑者が日本での仕事を探している「妻」役のフィリピン人女性を、松谷容疑者が「夫」役の日本人男性を集め、朝川容疑者が婚姻届の作成を担っていた。3人は平成23年ごろから約20組の偽装結婚を仕組んだとみられる。
日本人男性には3年の間、毎月5万円払うなどの条件を提示するなどしていた一方で、来日したフィリピン人女性をほぼ無報酬でパブで働かせていた。逃走を防ぐためパブがあるビル内の居室で生活させ、外側から施錠したり、監視カメラを設置したりしていたという。
逮捕容疑は共謀し、令和元年5~8月、結婚する意志のない2組のフィリピン人女性と日本人男性の婚姻届を泉佐野市役所などに提出したとしている。数回会っただけで結婚の実態はなかった。