ハロウィンを前にした29日、韓国ソウルで起きた雑踏事故では150人以上が命を落とした。「『再発防止は事故を風化させないことに尽きる』という言葉が頭をよぎった」と話すのは白井義道さん(62)。平成13年の明石歩道橋事故で母親のトミコさん=当時(75)=を亡くした。同事故の遺族ら有志は今年7月、事故の再発防止に向けて、これまでの遺族らの手記や事故の記録をまとめた本を出版した。白井さんは「なぜ防げなかったのか、と思うと心が痛む」と苦しい胸の内を明かした。
歩道橋事故後、事故の原因や背景を検証してきた白井さんは、今回の事故について「群集になると人々の心理状態はおかしくなる。今回の事故では有名人がいたという情報があり、こうした状況だとテンションが上がってしまい冷静さを保てなくなる」と指摘する。
ハロウィン以外にも11月にはサッカーワールドカップが開幕。年末にかけ、クリスマスやカウントダウンなど、各地で大勢の人が集まって楽しむイベントが見込まれる。
「事故は想定できなかったのか。予見できていれば防げたはずだ」。白井さんは現地警察が事故原因などを適切に検証すべきとした上で、今回の事故を踏まえ「日本でも、警察には雑踏警備をする上でどうすれば事故を事前に防げるかを意識してほしい」と訴えた。