【週刊誌からみた「ニッポンの後退」】
小室圭が司法試験に合格したことが、週刊誌を大慌てさせている。
「ニューヨーク州の司法試験は日本のそれと比較するとはるかに簡単です。例えるなら、運転免許の筆記試験くらいの難易度でしょうか」
こう女性セブン(11月10.17日号)で語っているのは、元国連職員で著述家の谷本真由美という人物である。
どういう方か存じ上げないが、いくら何でも、これは暴論というしかない。
10月24日の「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日系)で、ニューヨーク州の試験問題を紹介していた。例えば、「コカイン販売、マリフアナ所持、銃器所持の3つの罪で起訴された女性が、それぞれ切り離して裁判するために説得力のある弁護書類を準備せよ」といった問題が出されるそうだ。ウ~ン。私も運転免許の筆記に受かっているひとりだが、これに正答を書ける自信はまったくない。
小室が合格した後に出た週刊誌は、ここまでひどくはないが、彼の今回の「快挙」を矮小(わいしょう)化しようという意図が見え見えの記述が多くみられる。
例えば、以前から眞子さんと小室圭の2人には厳しい論調で知られる週刊新潮(11月3日号)は、今年7月の試験はやさしかったと報じている。
全体の合格率は66%で、小室が初めて受験した昨年7月の試験より3%高くなった。再受験組の合格率も23%と、前年より5%上昇した。さらに、米国外で教育を受けた受験者の合格率は前年より13%も上がったというのだが、だから何なのだろう。
週刊文春(同)は、一応、合格したことに祝意を表してはいるが、もともと、今の事務所は司法試験に合格しようがしなかろうが、小室さんを雇い続けることになっていたのだから、合否などどちらでもよかったとしている。なぜなら、「LS(小室圭の勤めている法律事務所=筆者注)は元皇族の夫である圭さんに“広告塔”としての役割を期待しているのでしょう」(NY在住の弁護士)。
何としても、合格から読者の目をそらせたいようだ。そのうち、小室圭は皇室や領事館のルートを使って、事前に試験問題を知ることができていたというようなフェイク情報が流れるかもしれない。
週刊誌のモットーは「他人の不幸は蜜の味」である。小室夫妻には不幸になってもらわなくては困るのだ。
女性自身(11月8日号)は、亭主だけではなく、眞子さんも批判している。メトロポリタン美術館で働きたいという希望を持っている眞子さんだが、美術館のスタッフからは、まだプロの学芸員として知識不足だといわれているというのである。渡米して1年の元プリンセス。知識不足は当然のことだろう……。
司法試験に合格したぐらいで、あんたたちのこれからの人生がバラ色になる保証があるわけではない、考え違いするなと諭したいようである。
そして、2人が不幸になる最大の切り札として、困ると小室の母親を持ち出してくるのが週刊誌の定石である。文春は、彼女のかつての年上の元恋人に、交際期間中の生活費と慰謝料を要求し、身の危険を感じたくだんの男性が、神奈川県警港北警察署に相談に行ったことを報じていた。今回はさらに、昨年5月に彼女が、横浜市の大学病院の口腔外科に手術のために入院していたが、その時の部屋代を払っていないと書いている。
トラブルメーカーの母親がニューヨークへ行けば、束の間の幸せなんてふっ飛んでしまうぞと言いたいのである。
バッシングもここまでしつこくなると、なんだか小室圭を応援したくなってきたな。(文中一部敬称略)
(元木昌彦/「週刊現代」「フライデー」元編集長)