7年前に兵庫県警の巡査が自殺したのは、先輩隊員などからパワハラを受けたことが原因だったとして、遺族が県に損害賠償を求めた裁判の控訴審が始まりました。
兵庫県警機動隊に所属していた木戸大地元巡査(当時24)は2015年、警察の寮で自殺を図り、その後、死亡しました。
遺族は木戸さんが、先輩隊員などからパワハラを受けたことが原因で自殺したとして、兵庫県に約8000万円の賠償を求め提訴。
一審の神戸地裁は、パワハラを一部認め、県に100万円の賠償を命じましたが、パワハラと自殺などとの因果関係については認めませんでした。
その後、遺族、県側共にこの判決を不服として控訴していました。
12月1日から始まった控訴審で、遺族側は「自殺を図る直前にも、先輩が大地さんを怒鳴りつけていたのを見た隊員もいた。パワハラが自殺の原因である」と改めて主張し、上司がパワハラやいじめを知ながら放置した兵庫県警の安全管理義務違反もあったと述べました。
一方の県側は「パワハラはなく、業務上必要な指導で、安全管理義務の違反もない」と争う姿勢を示しています。
(遺族)「高裁でまた一からのスタート、今度こそ、大地の無念を晴らし、真実を明らかにしたい」。