ストーカー殺人未遂 容疑で元交際相手の23歳を逮捕 福岡

福岡県春日市の駐車場で3日未明、専門学校生の女性(21)が首などを刺された事件で、県警は8日、女性の元交際相手で無職、片山敦稀(あつき)容疑者(23)=同県久留米市=を殺人未遂容疑で逮捕した。片山容疑者は女性へのつきまとい行為などを理由に、ストーカー規制法に基づく禁止命令を事件前日に受けていた。事件直後、現場近くで大破していた車の中から血だらけの状態で見つかり、搬送先の病院で治療を受けていたが、8日に退院していた。
逮捕容疑は3日午前0時10分ごろ、春日市春日原東町4の駐車場で、女性の首や肩を刃物のようなもので複数回刺すなどして殺害しようとしたとしている。調べに容疑を認めている。
県警春日署によると、女性は帰宅途中だったとみられる。片山容疑者は女性を待ち伏せしていた可能性もあり、現場には容疑者の所持品が残されていた。女性は搬送先の病院で一時、意識不明の重体だったが、現在は持ち直しているという。
一方、片山容疑者は事件直後、現場から約500メートル離れた同県大野城市内の路上で大破していた車の中で見つかり、近くのガードパイプには車が衝突したような跡があった。車内から血が付いた刃物のようなものも見つかり、同署は凶器の可能性もあるとみている。
女性は2月ごろから、ネット交流サービス(SNS)の書き込みで片山容疑者から中傷されたなどとして、県警に複数回相談していた。つきまとい行為なども確認されたため、県警は11月中旬、片山容疑者に聴聞を実施。県公安委員会から委任を受けた同署が事件前日の12月2日、ストーカー規制法に基づく禁止命令を出した。県警は同法違反容疑でも捜査する方針だ。【河慧琳】