保護者団体が不適切保育防止の緊急要望書 トイレ閉じ込め事案も

静岡県裾野市や富山市などの保育施設で園児への暴行が相次いで発覚したことを受け、保護者らでつくる「保育園を考える親の会」は12日、厚生労働省などに不適切保育の防止を求める緊急要望書を提出した。会には園児をたたく、突き飛ばすなどの相談が昨年1年間に7件寄せられたといい、公的な相談窓口の拡充や保育士の待遇改善を求めている。
同会は自治体の保育施策の調査を主な活動としている。会には毎年約40件の相談が寄せられ、昨年は7件が不適切保育に関する内容で、「たたく」「突き飛ばす」「腕をつかんで怒鳴る」といった暴行や「体の特徴をからかう」などの事例だった。トイレに閉じ込められて電気を消され、後からPTSD(心的外傷後ストレス障害)の症状が表れてカウンセリング治療が必要になったケースもあったという。
要望書の提出後、会の渡辺寛子代表らが厚労省で記者会見。幼い子は被害を受けても言葉でうまく説明できない点や、不適切な保育と「しつけ」を混同している職員が存在することを指摘し、職員への啓発や相談窓口の拡充を求めた。また、職員から内部通報があっても施設や自治体の対応が遅れるケースがあるとして、通報を受けた場合の対応手順を明確化するよう求めた。
厚労省の調査で、2019年度に自治体が把握した不適切保育は96自治体で345件あったことが判明している。厚労省は、不適切保育の事例を示した手引を作成し、保育施設などに点検するよう呼びかけている。【奥山はるな】
厚生労働省が手引で示した不適切保育の例
①人格を尊重しない関わり
②物事を強要するような関わり・脅迫的な言葉がけ
③罰を与える・乱暴な関わり
④育ちや家庭環境への配慮に欠ける関わり
⑤差別的な関わり