発達障害のある中学生ら3人を「療育」と称して相次ぎ監禁したなどとして、逮捕監禁罪に問われた障害者支援のNPO法人「さるく」(福岡市)の理事長、坂上慎一被告(57)=同市早良区=に対し、福岡地検は27日、福岡地裁(伊藤寛樹裁判官)で開かれた論告求刑公判で「極めて悪質な拉致監禁行為だ」と述べ、懲役4年を求刑した。弁護側は寛大な判決を求めて結審した。判決は2023年1月20日。
検察側は論告で、被告は障害児の問題行動に悩む親の窮地につけ込み、総額230万円超の高額な報酬を得て監禁行為を繰り返したと主張。無抵抗の中学生たちを拘束して脅し、食事も与えなかったとし「身体的・精神的被害は大きく、健全な成長に悪影響を及ぼすことは明らかだ。被害者の尊厳を顧みない独善であり、極めて強い非難に値する」と批判した。
坂上被告は最終意見陳述で「私の行為は間違った正義感に基づき、許されない。しょく罪の気持ちを抱きながら人生を送りたい」と述べ、今後は障害者の支援活動には関わらないとした。弁護側も最終弁論で、被告が罪を認めて反省していることを強調し、執行猶予付き判決を求めた。
起訴状などによると、坂上被告は17年10月と20年11月、21年10月の計3回、当時13~15歳だった男子中学生3人の手足を結束バンドで縛るなどして拘束。粘着テープで目隠しして暴行した上、車で福岡県内の山道や、運営する障害者施設「くるめさるく」(同県久留米市、22年9月閉所)に連行し、それぞれ約2~22時間にわたり監禁したなどとしている。【佐藤緑平】