親の信仰の影響を受けて育つ「宗教2世」が注目される中、幼少時、母と一緒にオウム真理教に入信した女性(40代)が毎日新聞の取材に応じた。女性は教団が起こした一連の事件後に脱会。「社会に居場所がなく苦しんだ」といい、2世への支援を訴えている。
女性は小学生の頃、母に連れられて関東の道場に通い、在家信者となった。高校生の時に出家。静岡県内の教団施設で集団生活をしながら、厳しい修行に明け暮れた。
出家後間もない1995年3月、オウム真理教信者による地下鉄サリン事件が発生。乗客や駅員ら14人が亡くなり、6000人以上が負傷した。同年5月、事件の首謀者として松本智津夫元死刑囚=教祖名・麻原彰晃=が逮捕され、教団施設も捜索を受けた。
女性は事件には一切関与せず、事件後は親戚の家に身を寄せて脱会した。しかし、親族から「一族の恥」と言われたり、友人から関係を絶たれたりして苦しみ、声が出なくなったこともあるという。
「オウムにさえ入らなければ」と後悔してきた女性。政府が世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の解散命令請求を視野に調査していることに触れ、「(信者も)生身の人間であることをわかってほしい。助けを求められない子どもがいれば、大人が声をかけてあげてほしい」と話す。【野口由紀】