福岡市西区の自宅で2021年6月、同居する両親を殺害したなどとして、殺人と死体遺棄の罪に問われた次男の松本淳二被告(60)の裁判員裁判の判決が6日、福岡地裁であった。鈴嶋晋一裁判長は「冷酷で理不尽というほかない」と述べ、懲役30年(求刑・無期懲役)を言い渡した。
判決によると、松本被告は21年6月20日、同市西区の自宅で、父・博和さん(当時88歳)を電気コードで絞殺して遺体を大型冷蔵庫に隠し、母・満喜枝さん(同87歳)も首を絞めて冷蔵庫に閉じ込め、翌日までに窒息死させた。
松本被告は自宅に30年以上ひきこもって暮らしていた。判決は、被告が趣味のDVD鑑賞中などに、博和さんからトイレの介助を頼まれたことに不満を爆発させて首を絞め、目撃されたことで満喜枝さんを殺害したと指摘。趣味の時間を削られることなどに不満を抱いたとする動機について、酌量の余地はないとした。
弁護側は被告には対人関係に関して精神障害の疑いがあるなどと訴えていたが、鈴嶋裁判長は事件への影響は認められないと判断。一方、父親との確執は「被告のみの責任とは言いがたい」などとし、有期懲役が相当とした。