大学入学共通テストが14、15日の2日間、全国の会場で実施され、大学受験シーズンが本格的に到来する。昨年の共通テストでは試験中に出題内容の画像が外部に流出、受験生を狙った刺傷事件も発生するなど、数々の〝想定外〟が起こったため、例年以上の厳戒態勢を敷く。一方、今回は新型コロナウイルスの影響で共通テストを受けられなかった受験生の救済措置を実施しないため、受験生は注意が必要だ。
注意呼びかけ
大学入試センターによると、今回の確定出願者数は51万2581人(前年比1万7786人減)。高校などを今春卒業見込みの現役生のうち、共通テストに出願した割合は前身の大学入試センター試験を通じて過去最高となった前回と横ばいの45・1%だった。全国679会場で実施。追試験は2週間後の同月28、29日に実施され、会場は全都道府県に計48会場を設ける。共通テストを利用する大学や短大は前回から7校増え過去最多の870校となった。
昨年の共通テストで出題内容の画像が流出した問題を受け、センターが出願者に不正行為への注意を呼びかけるリーフレットを初めて作成。①試験中に電子機器類を身につけていたり、持っていたりすると不正行為になることがある②イヤホンは耳に装着していれば使用しているものとして不正行為となる―などと明示した。さらに会場の見回りを徹底するなど対策を強化する。
また、昨年の共通テスト初日には、東京大(東京都文京区)前で受験生2人を含む3人が刃物で刺されてけがを負う事件が発生。今回の試験を前にした10日には、警視庁本富士署が東大と合同で警備訓練を行うなど、警察当局と会場側が連携を強化させて、不測の事態に対処する。
別室受験は継続
今回は、新型コロナの影響で共通テストを受けられなかった受験生の救済措置は実施しない。感染者の療養期間などが短縮され、本試験と追試験の両方を受験できないのは想定しにくいことが理由だ。濃厚接触者に対して条件付きで別室受験を認める対応などは継続する。
昨年の共通テストでは、新型コロナの影響で受けられなかった受験生について、個別試験のみで合否判定を可能とするよう全国の大学に要請していた。文部科学省によると、対象となったのは延べ24人で、対象者が少なかったことも救済取りやめの理由だ。
濃厚接触者が大学受験する際には、昨年と同様に条件付きでタクシーの利用を認める。文科省のガイドラインはタクシーを含め公共交通機関を使わずに試験場へ行くことを求めているが、例外的な運用とする。文科省は高校へ周知するよう都道府県教育委員会などに要請。受験生は無症状の濃厚接触者であることをタクシー会社に告げた上で予約し、感染対策を講じた車両を使うのが条件で、流しの車両は使えない。