さいたま中1自殺 黒塗り報告書に遺族反発「納得できない点ある」

2018年にさいたま市の市立南浦和中学1年の男子生徒(当時13歳)が自殺した問題で、市教育委員会の第三者委員会がまとめた報告書に対し、遺族側が「事実認定に納得できない点がある」とした所見を市教委に提出した。遺族側への取材で判明した。報告書について、市教委は個人名などを「黒塗り」して公表する準備を進めているが、遺族側は「黒塗り」をできる限り減らし、第三者委座長が記者会見で説明するよう求めている。
遺族側によると、男子生徒は18年8月26日、「部活に行く」と言って自宅を出た後、自殺した。遺族側は自殺直後、校長から「(自殺を公表すると)マスコミが来る」などと説明され、「不慮の事故」とすることに同意。詳細な調査の開始が遅れることになった。
遺族側は校長の対応などに不審を抱き、19年4月に市教委に第三者委の設置を要望した。市教委は自殺から約1年後の同年7月に第三者委を設置し、調査が始まった。第三者委は22年7月までに計74回、非公開で会合を開き、報告書をまとめた。
細田真由美教育長は同11月の記者会見で「第三者調査に長い時間がかかり、遺族に大変つらい思いをさせてしまって申し訳なく思っている」と陳謝。同7月に遺族側に報告書を渡し、同9月に遺族側の所見が届いたことを明らかにした。
学校側が実施したアンケート調査では、男子生徒が所属したバドミントン部の顧問教諭(当時)が普段から部員に暴言を吐いていたとの証言や、男子生徒に「圧をかけているように感じた」との声が寄せられた。だが、報告書では、「圧をかけている~」と答えた生徒が、第三者委の調査に「(当該の)男子生徒だけではなかった気がする」と答えたことなどを挙げ、「不適切な指導だったとは言えない」と結論づけた。
また、自殺前日に顧問教諭から電話で「明日、個別に呼んで指導する」と伝えられたという母親の証言について、報告書は「証拠を総合的に考慮しても、教諭がその旨の発言をしたと判断することはできない」とした。
遺族側は、顧問教諭の指導が自殺の原因だと主張。教諭と母親の電話や男子生徒への指導の内容について「報告書が明確な理由なく、教諭の言い分を採用したのは納得できない」と反発している。
【岡礼子】
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