2021年3月、名古屋出入国在留管理局の施設で死亡したスリランカ人女性、ウィシュマ・サンダマリさん(当時33歳)を巡る訴訟で17日、非公開の協議が開かれた。ウィシュマさんの収容中の様子を収めた監視カメラ映像を法廷内で上映することについて、国側は「必要性がない」として反対の意向を示した。遺族側の代理人が明らかにした。今後、国側から反対理由が書面で提出された後、改めて協議される見込み。
遺族側が上映を求めているのは、22年12月に国側が証拠として提出した約5時間分の映像。遺族側は「なぜ亡くなったのかを知るための重要な証拠」として約295時間分の全データの開示を求めており、約5時間分についても「真相を明らかにするため、公開の法廷で上映するのが正しい方法だ」と訴えていた。
遺族側代理人の駒井知会弁護士らによると、17日に名古屋地裁で開かれた進行協議で、国側は裁判官が映像の内容を確認すれば十分だと主張。法廷内に大型モニターを設置して上映することには「必要性がなく、保安上の支障も残る」と強く反対したという。
駒井弁護士は「裁判は原則公開と憲法に定められている。国側の主張は理由になっていない」と指摘した。【藤顕一郎、和田浩明】