博多駅前刺殺、容疑者がだて眼鏡で変装 見当たり捜査員、見破る

福岡市博多区のJR博多駅近くの路上で16日夜に女性が刺殺された事件で、殺人容疑で逮捕された元交際相手で飲食店従業員の寺内進容疑者(31)=博多区冷泉町=が18日に同区内で身柄を確保された際、頭からフードをかぶり、黒縁のだて眼鏡とマスクで変装していたことが、捜査関係者への取材で判明した。追跡を逃れる目的だったとみられるが、雑踏捜査のプロが変装を見破っていた。
事件は16日午後6時15分ごろ、人通りの多い博多駅近くの路上で起きた。福岡県那珂川市の会社員、川野美樹さん(当時38歳)が胸など十数カ所を刃物で刺されて殺害され、現場から男性が逃走していた。
県警は、川野さんが昨年10月以降ストーカー被害を訴えていた寺内容疑者が事件後、所在不明になっていることを確認。事件についても何らかの事情を知っているとみて重点的に行方を捜していた。
捜査関係者によると、事件発生から2日後の18日早朝、寺内容疑者を知る人から、博多区内にある九州最大の歓楽街、中洲で見かけたとの目撃情報が寄せられた。捜査員が捜索したところ、同日午前11時半ごろ、事件現場から約1・5キロ離れた路上で1人で歩く寺内容疑者を見つけたという。
変装を見破ったのは、記憶した顔写真を基に雑踏の中から特定の人物を捜すことを専門とする「見当たり捜査員」だ。日ごろから100人以上に上る指名手配犯の顔を記憶しており、発見した場合、他の捜査員と連携してターゲットを追い込んで声かけする訓練を受けている。県警には限られた人数しかいない。
今回、だて眼鏡をかけてマスク、フードをかぶって変装した寺内容疑者だったが、捜査員は「似ている」と気づいて徒歩で約800メートル追尾。態勢を整えて職務質問すると、寺内容疑者は特に抵抗する様子もなく、任意同行に応じたという。【佐藤緑平】