菅義偉前首相が〝決起〟 岸田増税政権にノー! 18日ラジオ番組で再び異議「議論がなさすぎた」 角谷氏「永田町に『政局』の匂いを感じる人は多い」 安倍派との連動も

菅義偉前首相の存在感が高まっている。先週、岸田文雄首相の「派閥主導の政治」や「少子化対策での増税路線」に苦言を呈したが、18日に出演したラジオ番組で、本丸ともいえる「防衛力強化に伴う増税路線」に異議を唱えたのだ。自民党では翌19日から、防衛費増額をめぐり増税以外の財源確保を検討する自民党特命委員会が始まるだけに、タイミングを合わせた可能性がある。岸田首相は警戒したのか、同委員会トップの萩生田光一政調会長に面会した。「2023年政局」が動き出した。

「突然だった」「特に増税については丁寧な説明が必要だ」「例えば、行政改革でいくら(費用を捻出した)とか、いろんなことを示したうえで、『できない部分は増税させてほしい』とか、そういう議論がなさすぎた」
菅氏は18日、ラジオ日本の番組でこう語った。日本を取り巻く安全保障環境が悪化するなか、防衛力強化の必要性を認める一方、岸田政権の性急すぎる「増税方針」を厳しく批判した。
10日発売の月刊誌「文芸春秋」のインタビューで、菅氏は岸田政権を「派閥主導の政治」と指摘した。外遊先のベトナムでも、「異次元の少子化対策」をめぐる「消費税増税方針」に苦言を呈していたが、23日召集の通常国会の最大の焦点に切り込んだわけだ。
タイミングも絶妙だった。防衛費増額の財源について議論する自民党の特命委員会が翌19日、初会合を開く。
岸田官邸は、防衛費増額のため2027年度に4兆円程度の追加財源が必要になると試算し、約1兆円強を「増税」で賄う方針。財務省の意向がにじみ出ており、特命委員会では、歳出改革の徹底などで増税幅を圧縮できないか検討する。
安倍晋三元首相は凶弾に倒れる直前まで、国民生活を重視して「防衛国債」を提示していたが、岸田首相に排除された。安倍氏の薫陶を受けた萩生田氏や世耕弘成参院幹事長は、国債の償還期間を現行の60年から延長すれば、財源を捻出できると提起する。
第2次安倍政権で官房長官を7年8カ月務めてきた菅氏は、官僚主導を排した政治主導を志向してきた。それだけに、「最近の『大増税路線』は財務省などの影響を受けた官僚主導への回帰ととらえ、苛立ちを抱えている」(中堅議員)との指摘もある。
増税路線に明確な異論を唱えた菅氏の「決起」に対し、菅氏を支持する無派閥系議員や、反主流派の中で期待の声も高まる。
一方、岸田首相は18日、特命委員会のトップを務める萩生田氏と首相官邸で会談し、「しっかりやってほしい」と「十分な検討」を指示した。すでに、防衛費増額の一部を法人税増税でまかない、歳出改革も進めて財源を捻出するとの方針を示しており、「ここから検討の余地があるのか」といぶかる声もある。