バッグに刃物、待ち伏せか 刃渡り20センチ以上 博多駅前女性刺殺

福岡市博多区のJR博多駅近くで福岡県那珂川(なかがわ)市の会社員、川野美樹さん(当時38歳)が刺殺された事件で、殺人容疑で逮捕・送検された元交際相手の飲食店従業員、寺内進容疑者(31)=博多区=が任意同行を求められた際に所持していた刃物について、県警の調べに「この刃物を使って刺した」と供述していることが、捜査関係者への取材で判明した。刃物は刃渡り20センチ以上と長く、寺内容疑者はバッグに刃物を入れて川野さんの職場近くで待ち伏せしていたとみられ、強い殺意を持って凶行に及んだとみて県警は動機を追及する。
事件があった16日、川野さんは現場近くにある勤め先に出勤していた。周辺の防犯カメラ映像などから、寺内容疑者は川野さんの退勤直後に接触したとみられ、近くで待ち伏せしていた可能性が高いという。寺内容疑者は以前、川野さんと交際していた際に、互いに位置情報を把握できる携帯電話アプリを利用しており、職場を把握していたとみられる。
防犯カメラには、2人が互いに傘を差しながら並んで歩き、向かい合って少し話をした直後、川野さんが突然押し倒され、刃物で襲われた状況が記録されていた。2022年11月には寺内容疑者が川野さんの職場に押しかけ、ストーカー被害を警察に相談した理由を問い詰めるなどしており、寺内容疑者が一方的な恨みを募らせ、襲撃に至った可能性がある。
県警は18日、博多区の路上を歩いている寺内容疑者を発見し、任意同行を求めた。その際、バッグの中に刃渡り20センチ以上の刃物1本を所持していた。「この刃物を使った」と供述しており、鑑定して裏付けを進める。捜査関係者によると、寺内容疑者が事件前、刃物を新たに購入した形跡はなく、自宅などから持ち出した刃物で川野さんを襲った可能性がある。【佐藤緑平、河慧琳】