私は3歳まで、共働きの両親に代わり、祖父母に面倒をみてもらっていました。のんびりとした田舎町、大自然の中で自由に遊びまわる毎日。遊び相手は双子の妹。同い年のお友達と関わる機会はほとんどなかったと記憶しています。
そんな蝶よ花よと育てられた3年間にある日突然、終止符が打たれます。
父の異動が決まり、祖父母の家から遠く離れた土地へ引っ越すことになったのです。そして一番憂鬱だったのが初めての幼稚園デビュー。私は年中(5歳)から入園したのでクラスの輪が出来上がっている中へ入っていく感じでした。しかも妹とは別のクラス……。不安でいっぱいでした。
私が同級生から受けた“性被害”をマンガ化した作品をブログで公開したあと、自分も性暴力、性被害を受けたというたくさんの方々からメッセージをいただきました。
そこにはさまざまな被害の様子が書かれていて、なかには目を覆いたくなるような体験談もありました。隠れた被害者がこんなにもいることに、ただただ驚きました。
今回、私が描いたのは「子ども同士」の性被害でしたが、大人から受けた性被害を含めると、その数は計り知れません。
また、女の子だけではなく、男の子が被害に遭ったお話もありました。性暴力、性虐待の被害は、男女関係なく起こり得ることです。
被害者の方は、口を揃えて「一生忘れることはできない」と言います。幸いにも私は、なんとか平穏な暮らしを取り戻すことができましたが、当時の記憶は死ぬまで忘れることはないでしょう。
でも悔しいことに、加害者は、忘れてしまうことが多いと思います。被害者に対して「自意識過剰だ、考えすぎだ」などと本気で言っている人がいることも事実です。
性被害で一生苦しむ人間がいることなんて、想像できないのでしょうね……。
日本は「性教育後進国」だと言われています。そんな日本では、被害に遭った子どもが誰かに助けを求めにくく、そしてそんな子どもたちがいることはあまり知られていません。
でも、子ども同士の性的な問題行動・性被害は起こり得ます!
まずは大人がそれを理解し、子どもにも教えていかなければならないのではないでしょうか。
ここからは、「子ども同士の性被害」の実態について、公認心理師・臨床心理士の鶴田信子さんの回答を紹介いたします。
A.子ども同士の性被害の実態について、データや調査で明らかにされていることは少ないです。でも、被害者支援の現場に寄せられる声はとても多いんです。幼稚園・保育園に通う子どもの被害もありますし、小学生以降になるとその数はさらに増えます。集団でパンツをおろすなどの行為は「いじめ」の言葉で片付けられがちですが、これも性暴力です。
そして、保育園児・幼稚園児でもレイプが発生しています。膣内性交に加え、男女を問わず、肛門性交や口腔性交(口を使って行う性行為)といった性被害も存在します。小学生から就学前の子どもに対して行われたケースもあります。
加害者は上級生や近所のお兄ちゃん・お姉ちゃんなどさまざまです。きょうだい間での性暴力も少なくありません。小さな子どもたちの深刻な性被害がたくさん報告されていることを、大人の皆さんにも知ってほしいと思います。
A.性被害にあった子の多くは、そのことを親や周囲の大人に伝えることができません。なぜなら、小さな子どもの場合、自分がされたことに対して違和感を覚えても、それが「性被害」だとわからないからです。「悪いことをされている」と認識することで、初めて周囲の大人に伝えられます。
そして、思春期に近づき自分が性被害にあったと認識できるようになると、今度は「言いたくない」と隠してしまいます。自分が性被害にあったことを親に知られるのが恥ずかしい、事実を伝えたら親に怒られるかもしれない、親や大人に被害を伝えたら大ごとになってしまうと悩み、ひとりで抱え込んでしまうのです。そのため、思春期の性被害はより大人に報告されにくくなります。
A.子どもから親や周囲の大人に対し、性被害にあったことを伝えるのはかなり難しいと思います。ただし口にしなくても、被害にあった子どもたちは日常生活の中で、抱えている辛さが「体の症状」や「行動の問題」として現れることがあります。お子さんの様子がいつもと違うなと感じるときは、ちょっとした声にも注意深く耳を傾けてあげてください。
また、ひとつの性被害が発覚した場合、それ以外の被害も起きている可能性があります。被害を受けた子どもが言っていないことや、言えないこともたくさんあるので、何が起きているのか慎重に見守る必要があります。
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(ブロガー ゆっぺ)