「事件前、『ルフィ』に会った」 22年、山口の強盗未遂事件の被告

2022年11月に山口県岩国市の民家で金品を奪おうとしたとして、強盗未遂などの罪に問われた無職、上野晴生被告(23)=東京都=の初公判が31日、山口地裁(山田雅秋裁判官)であった。「ルフィ」を名乗る人物が指示役だった連続強盗事件の一つとみられ、被告は「間違いありません」と起訴内容を認めた。閉廷後、取材に応じた弁護人は「被告は事件前に(国内で)『ルフィ』に会い、指示を受けた」と説明した。
弁護人の白井耕二郎弁護士は上野被告から聞いた話として報道陣に説明。それによると、上野被告は22年11月の5日か6日、東京都内で「ルフィ」を名乗る男性と会い、レンタカー代や交通費の一部として2万~3万円を渡された。男性は身長170センチ前後の中肉中背。30~40代で口調は関西弁のようだったという。「ルフィ」だった可能性がある渡辺優樹容疑者(38)らはその頃、フィリピンにいたとされている。
事件当日の7日、車の運転や見張りをしたとされる上野被告は、秘匿性の高い通信アプリ「テレグラム」で「ルフィ」と通話しながら、現場で車両を止める位置などを指示された。事件の間も「物音はしないか」「騒ぎになっていないか」などと問いかけられ、被害者の抵抗で強盗を諦めた後は、岡山県方面への逃走ルートも指示されたという。
白井弁護士は、フィリピンで拘束されている渡辺容疑者らとは別に「国内にも『ルフィ』を名乗る指示役がいたのではないか」と話した。【福原英信】