東京五輪・パラリンピックを巡る談合事件で、テスト大会の「計画立案支援業務」の入札が実施される以前に、一部の入札参加予定事業者側が、大会組織委員会大会運営局元次長の森泰夫容疑者(55)=独占禁止法違反(不当な取引制限)容疑で逮捕=に対し、特定の入札案件を「応札する予定です」などと知らせるメールを送信していたことが10日、関係者への取材で分かった。
東京地検特捜部は、こうしたメールが、森容疑者が中心となって各事業者の意向を実際に聞き取り、結果的に競争を制限した証拠の一つとみて捜査を進めているもようだ。
関係者によると、森容疑者は平成29年夏ごろ、テスト大会の支援業務について、事業者と競技単位で随意契約を結ぶことを希望。各事業者の担当者と面会し、応札の意向を聞き取ったという。
こうした面会は30年3月に発注方式が入札に決まって以降も続き、森容疑者は把握した内容を組織委へ出向していた電通の担当者に伝達。応札に関する意向を取りまとめた「リスト」に反映されていった。
森容疑者は逮捕前に行われた特捜部の任意の事情聴取に対し、当初は否認していたが、後に認める方向に転じた。ただ、関係者によると「受注調整をしたわけではなく、応札するつもりがあるのか意向を聞いただけだ」とも供述しているという。
特捜部は、森容疑者が面会を繰り返した上、事業者側から森容疑者へ応札予定を知らせるメールが届いていることなどから、森容疑者を中心に談合が行われたとみているもようだ。
特捜部は、森容疑者が同年5月に入札が始まって以降も事業者側との面会を続けており、受注調整は2月から7月まで続いたと判断。受注調整は、計画立案支援業務を落札した9社が随意契約した本大会の運営などにも及ぶと認定した。