２０１１年に息子の元医師山本直樹被告（４５）＝殺人罪で懲役１３年、控訴＝らと共謀して夫を殺害したとして、同罪に問われた山本被告の母・淳子被告（７８）の裁判員裁判の第４回公判が２０日、京都地裁（川上宏裁判長）であった。被告人質問で淳子被告は、事前に殺害計画の詳細を知らなかったと述べ、事件への関与を否定した。
淳子被告は、靖さん＝当時（７７）＝殺害に向けた山本被告からのメールの受信を認めた一方、内容の意図については「分からない」とした。事件当日は靖さんを退院させ、共犯とされる医師の大久保愉一被告（４４）と合流してマンションへ向かうことは知っていたが、その後の計画は知らなかったと説明。退院の直前に「大久保被告に殺されてしまうのでは」と初めて悟り、合流しないよう求めたとして、共謀を否定した。
検察側は、淳子被告が逮捕前の取り調べで、大久保被告のもとへ靖さんを引き渡した際、「大久保被告が前から話していた通り、殺してしまうのではないかと思った。息を止めてくれれば介護などの苦しみから解放され、普通の生活が送れると思った」などと供述したとする調書を読み上げ、共謀を否定する淳子被告の主張の矛盾を指摘した。
起訴状によると、山本被告、大久保被告と共謀し、１１年３月５日、精神疾患で入院していた靖さんを退院させ、東京都都内の短期賃貸マンションへ搬送し、殺害したとしている。