厚生労働省は20日までに、抗インフルエンザ薬「アビガン」を新型コロナウイルスの治療に利用した際、不適切な使用例が2021年12月以降、全国5医療機関の計429人で確認されたとする調査結果をまとめた。健康被害の報告はなかった。
厚労省によると、コロナ治療でアビガンが使用されたのは全国1166医療機関の計5万1008人。国の通知では、原則として入院中の患者が対象だが、4機関は外来の427人に処方していた。1機関では感染者に接触した2人に対し、感染予防のため使用されていた。
他に19機関が病床逼迫(ひっぱく)に伴い、入院を伴わずに処方するなどしていた。ただ、同省は「本来は入院が必要なケースだが、緊急避難的に使用した」として、不適切事例に含めなかった。
[時事通信社]