長野県警は、2022年の1年間に受理した落とし物に関する届け出について、遺失物が4万958件(前年比3858件増)、拾得物が17万8575件(同2万3814件増)だったと発表した。遺失物が4万件以上、拾得物が17万件以上となるのはコロナ禍前の19年以来3年ぶりで、県警は行動制限の緩和や、長野市の善光寺 御開帳 (ごかいちょう)により外出が増えたことが影響したとみている。
善光寺を管轄する長野中央署では遺失物と拾得物の届け出が前年よりも20%以上増えたという。品目別にみると、免許証やキャッシュカードなどの「証明書類・カード類」が、遺失届で54・6%、拾得届で30・9%と、ともに最も多かった。
特異なものとしては、長野南署管内で昨年8月、ヒツジ1匹が飼育場所から逃げ出したとの届け出があり、翌日発見された。また、同10月には駒ヶ根市の県道脇で大型の「アミメニシキヘビ」が捕獲された。飼い主の男が書類送検され、今年1月に動物愛護法違反(特定動物の飼養)で略式起訴となった。
警察庁が統合する全国共通のシステムで、県内では今年3月から届け出や検索ができる。県警会計課の依田幸敏管理幹は「1件でも多く落とし物が手元に戻るように全力を尽くす。システムでの検索は発見の手がかりになる」と話している。