三沢基地所属の米軍F16、燃料タンク2個を海に投棄…県には翌日連絡

青森県は16日夜、米軍三沢基地(三沢市)所属のF16戦闘機が15日の訓練中に、燃料タンク2個を青森県沖の領海外に投棄したと明らかにした。けが人などの被害は確認されていないという。17日には米軍と防衛省東北防衛局に対し、原因究明の徹底や迅速な情報提供などを要請した。
県や防衛省によると、F16戦闘機は15日午後4時20分頃、緊急事態に陥り、燃料タンク2個を青森県沖の太平洋の領海外に投棄。15分後には三沢基地に帰投した。県には翌16日夕に東北防衛局を通じて連絡があったという。
三村知事は17日、青森市内で報道陣の取材に応じ、「県民に大きな不安を与え、米軍の安全管理体制に対する不信感を増幅させるもので、遺憾だ」と不快感を示した。情報提供が1日遅れとなった点については「従前は、きちんと情報のやりとりがあったと記憶している。東北防衛局を含めて状況を早く知らせることが大事だ」と改善を求めた。
三沢市は同日、米軍三沢基地と東北防衛局三沢防衛事務所に再発防止と原因究明を文書で申し入れた。小桧山吉紀市長は「漁業関係者、三沢市民に多大な不安を与えるものだ」とのコメントを出した。
米軍三沢基地所属のF16戦闘機を巡っては、2021年11月にも、訓練中のエンジントラブルで深浦町の住宅近くなどに燃料タンク2個が投棄された。三沢基地周辺町内連合会の種市光雄会長は「深浦町への投棄でも情報提供が遅れたが、今回は丸1日も遅れ、改善する意識がないのか」と批判。「こういうことが続くと、三沢市が掲げてきた米軍との共存共栄を損なってしまう」と懸念を強めた。