東急エージェンシー幹部、受注調整への関与認める…業界ぐるみで談合疑い強まる

東京五輪・パラリンピックを巡る談合事件で、大会組織委員会が発注する業務を受注した「東急エージェンシー」の幹部が東京地検特捜部に対し、組織委大会運営局元次長の森泰夫容疑者(56)らの受注調整に「関与した」と供述していることが関係者の話でわかった。「電通」はじめ大手広告会社4社の幹部らがそろって関与を認めたことになり、業界ぐるみで談合していた疑いが強まっている。
特捜部は、組織委が発注したテスト大会や本大会運営業務などで談合した疑いがあるとして、森、電通元スポーツ局局長補の 逸見 (へんみ)晃治(55)両容疑者とイベント会社「セレスポ」、番組制作会社「フジクリエイティブコーポレーション(FCC)」の専務計2人を独占禁止法違反(不当な取引制限)容疑で逮捕。「博報堂」、「ADK」、東急エージェンシー、イベント会社「セイムトゥー」を加えた計7社が談合に関わった疑いがあると認定していた。
関係者によると、東急エージェンシーで五輪を担当していた幹部らは特捜部の任意の事情聴取に対し、テスト大会計画立案業務の入札前に森、逸見両容疑者に受注希望を伝え、応札枠を確保してもらったなどと談合への関与を認める供述をしているという。大手広告会社では、電通、博報堂、ADKの3社の幹部らも受注調整に関与したと供述しているという。
特捜部は各社について、同法違反容疑での立件を視野に捜査を進めている。このうち、ADKについては、課徴金減免(リーニエンシー)制度に基づき公正取引委員会に違反を自主申告したことから、刑事告発が見送られる可能性がある。