スリランカ出身のウィシュマ・サンダマリさんが、適切な医療を受けることができないまま、名古屋入管の収容施設で命を落としてから、今日3月6日でちょうど2年を迎える。 昨年3月4日、彼女の一周忌を前に国家賠償訴訟が提起されて、同12月には、亡くなる直前のウィシュマさんの状況を映した5時間分のビデオが法廷で公開されることも決まった。 だが、生前のウィシュマさんを救おうとした名古屋の支援団体「START 外国人労働者・難民と共に歩む会」で顧問をつとめる松井保憲さんと学生代表の千種朋恵さんは「提訴から1年経つが、裁判が本題に入り、審理が始まるのはこれから」と話す。 姉の死の真相究明と再発防止を訴えるウィシュマさんの妹さんたちとともに、この裁判に社会の関心が向くようにと活動を続ける2人に、事件前後で名古屋入管の体制や対応の変化、裁判の状況を聞いた。(取材・文/塚田恭子) ●自力で歩けないのに、職員は「大丈夫、大丈夫」 2011年から、名古屋入管での面会活動を中心に、外国人たちの支援活動を続けているSTART。メンバーは2020年12月中旬以降、27回にわたって、ウィシュマさんと面会していた。 「食べられない、吐いてしまう、舌や唇、手足が痺れる、痛むなど、ウィシュマさんの体調は1月中旬頃から明らかに悪化していました。そして1月28日の夜には吐血してしまいました。 2021年2月に入ると、歩くこともできなくなり、収容自体が間違っている状況でしたが、応急処置である点滴すらしないのに、処遇部門の職員は『大丈夫、大丈夫』の一点張りでした。 なぜ、点滴も打たず、外部病院への入院、治療もさせず、仮放免も認めないのか。職員との間ではいつも口論になっていました」(松井さん) STARTのメンバーが、ウィシュマさんへの面会を重ねたのは、そのたびに体調が悪化してゆく彼女を見て「このままでは命が危ない」と懸念したからだ。 外部病院での入院、治療、それがだめなら仮放免を認めるよう、繰り返し申し入れたにも関わらず、いずれの処置も取らなかったことで、名古屋入管は最悪の事態を招いてしまった。 ●「彼らは、人の命など、本当に何とも思っていない」 ウィシュマさんが亡くなる直前2週間分の映像について、入管側は当初、公開を拒んでいた。しかし、2021年8月、遺族と弁護士に映像の一部は開示されて、2021年12月には、衆議院と参議院の法務委員会でも開示された。
スリランカ出身のウィシュマ・サンダマリさんが、適切な医療を受けることができないまま、名古屋入管の収容施設で命を落としてから、今日3月6日でちょうど2年を迎える。
昨年3月4日、彼女の一周忌を前に国家賠償訴訟が提起されて、同12月には、亡くなる直前のウィシュマさんの状況を映した5時間分のビデオが法廷で公開されることも決まった。
だが、生前のウィシュマさんを救おうとした名古屋の支援団体「START 外国人労働者・難民と共に歩む会」で顧問をつとめる松井保憲さんと学生代表の千種朋恵さんは「提訴から1年経つが、裁判が本題に入り、審理が始まるのはこれから」と話す。
姉の死の真相究明と再発防止を訴えるウィシュマさんの妹さんたちとともに、この裁判に社会の関心が向くようにと活動を続ける2人に、事件前後で名古屋入管の体制や対応の変化、裁判の状況を聞いた。(取材・文/塚田恭子)
2011年から、名古屋入管での面会活動を中心に、外国人たちの支援活動を続けているSTART。メンバーは2020年12月中旬以降、27回にわたって、ウィシュマさんと面会していた。
「食べられない、吐いてしまう、舌や唇、手足が痺れる、痛むなど、ウィシュマさんの体調は1月中旬頃から明らかに悪化していました。そして1月28日の夜には吐血してしまいました。
2021年2月に入ると、歩くこともできなくなり、収容自体が間違っている状況でしたが、応急処置である点滴すらしないのに、処遇部門の職員は『大丈夫、大丈夫』の一点張りでした。
なぜ、点滴も打たず、外部病院への入院、治療もさせず、仮放免も認めないのか。職員との間ではいつも口論になっていました」(松井さん)
STARTのメンバーが、ウィシュマさんへの面会を重ねたのは、そのたびに体調が悪化してゆく彼女を見て「このままでは命が危ない」と懸念したからだ。
外部病院での入院、治療、それがだめなら仮放免を認めるよう、繰り返し申し入れたにも関わらず、いずれの処置も取らなかったことで、名古屋入管は最悪の事態を招いてしまった。
ウィシュマさんが亡くなる直前2週間分の映像について、入管側は当初、公開を拒んでいた。しかし、2021年8月、遺族と弁護士に映像の一部は開示されて、2021年12月には、衆議院と参議院の法務委員会でも開示された。