H3打ち上げ後の笑顔、暗転=失敗に関係者やファンら落胆―種子島

2月の打ち上げ中止を経て、期待が高まっていた新型「H3」ロケットは7日、打ち上げ失敗に終わった。青空の下、発射を見守った関係者らの笑顔は、「指令破壊」の一報に暗転した。
発射台から約4キロ離れた鹿児島県・種子島宇宙センターの観望施設では、宇宙航空研究開発機構(JAXA)や三菱重工業の関係者らが打ち上げを見守った。発射直前に中止となった2月17日の打ち上げから2週間余り。今回は白煙とごう音を残し、機体は上昇していった。
しかし、数分後に第2段エンジンの着火が確認できないとのアナウンスが流れると、次第に重苦しい雰囲気に。報道陣が集まる中、「ミッション達成の見込みがなくなり、指令破壊を行った」との一報に、落胆のため息が漏れた。
JAXAの広報担当者は「打ち上げは失敗したという認識か」と問われ、「ミッションを達成する見込みがないので…」と言いよどんだ後、「失敗という形になってしまう」と声を落とした。
発射台から約9キロの長谷展望公園には1000人超のファンが詰め掛けたが、失敗の一報に落胆の声が漏れた。
前回の打ち上げ時も山口県から家族4人で訪れ、テント泊で当日を迎えた中島優さん(41)は「うれし涙から悔し涙になった」とショックを隠しきれない様子。神戸市から家族4人で訪れ、この春天文部のある中学に入学する小谷亮太君(12)は「ここまで来たのに残念。(打ち上げの)難しさを実感できた」と肩を落とした。
名古屋大工学部3年で宇宙開発サークルの仲間と見学した早川諒さん(21)は打ち上げの瞬間、「ずっとロケットに憧れていて、涙があふれてきた」と興奮気味だったが、失敗の放送が流れ、「残念の一言。今後頑張ってほしい」と気を取り直した。卒業後については「絶対にロケットを造りたい。その気持ちがより強まった」と力を込めた。
[時事通信社]