「耳かき1杯程度から」着手 「廃炉の本丸」デブリ取り出し 福島原発事故

東京電力福島第1原発事故を巡り、政府と東電が目指す溶融燃料(デブリ)の全量取り出しは、水素爆発を免れ原子炉建屋の気密性が高い2号機からスタートする。最初は「耳かき1杯程度」の量を試験的に取り出し、段階的に拡大していく計画だが、世界に前例がなく、極めて難易度が高いため、計画通りに進まない可能性もある。
2号機の格納容器底部には、原子炉内の燃料が溶け落ちて固まった燃料デブリが存在する。デブリは高温で溶け出した燃料が原子炉圧力容器から外側の格納容器に落下したとみられ、周囲の金属やコンクリートなどと混ざり、強い放射線を出す。
これまでの調査で格納容器内部の破損状況やデブリとみられる堆積物を映像で確認。平成31年2月には接触調査を実施し、つかんで動かせる堆積物があることも分かった。
計画ではロボットアーム(最長約22メートル)を遠隔操作で格納容器側面の貫通部から差し込み、アームの先端に取り付けた回収装置で1グラム程度のデブリ取り出しを数回に分けて試みる。取り出す量はわずかだが、そこから得られる情報を分析し、将来の全量取り出しを目指す。
東電はデブリ取り出しを「廃炉の本丸」と位置付ける。ただ、当初は令和3年に取り出しを始める計画だったが、新型コロナウイルスの感染拡大やアームの改良などに時間がかかり、これまで2回延期。5年度後半の取り出しを目指す。残る1、3号機の取り出し方法や時期は決まっていない。