原発避難訴訟で仙台高裁は国の責任認めず…いわき市住民ら訴え、東電には賠償命じる

東京電力福島第一原発事故で精神的苦痛を受けたなどとして、福島県いわき市の住民ら1337人が国と東電に計約13億5037万円の賠償を求めた集団訴訟の控訴審判決が10日、仙台高裁であった。小林久起裁判長は1審・福島地裁いわき支部判決を一部取り消し、東電にだけ賠償を命じ、国の責任は認めなかった。
原発事故で避難者らが国に損害賠償を求めた訴訟を巡っては、最高裁が昨年6月に国の責任を否定する初の判断を示していた。
2021年3月の1審・福島地裁いわき支部判決は、原告側が約26億7143万円の賠償を求めたのに対し、国と東電の責任を認めた上で、両者に計約2億431万円の支払いを命じていた。