「情報は足で」FMクマガヤ、W杯で交通情報発信に奔走

ラグビー・ワールドカップ(W杯)の試合会場となり、国内外から多くの観客が訪れた埼玉県熊谷市。大規模な交通規制が実施され、影響を受ける市民に向けて交通情報を発信し続けたのが、熊谷・行田地域対象のコミュニティーFM「FMクマガヤ」(87・6メガヘルツ)だ。W杯でも「市民に密着した情報を届けるのが使命」と奮闘している。
「中央交差点は渋滞なしとのことです」「熊谷駅南口は送迎(の車)が多いそうです」――。熊谷ラグビー場でのW杯初戦(ロシア―サモア)終了後の24日深夜。FMクマガヤは通常午後10時までの放送時間を延長し、刻々と変わる渋滞状況やJR高崎線の遅延情報などを翌午前0時まで伝え続けた。
熊谷駅や熊谷ラグビー場、両所を結ぶ主要道路の交差点など、要所にスタッフ延べ7人を配置。現場で目視した状況や警備員への聞き取りなど、「足で得た」情報をリアルタイムでスタジオに上げた。
「W杯を盛り上げたい。でも、『僕たちのリスナーは誰か』を考えればやることはおのずと決まってくる。W杯の影響を受ける市民の不安を減らしたい」と話すのは、同ラジオ局ディレクターの和田仁志さん(34)。今年4月に開局し、ラグビー専門番組を設けるなどW杯の機運を高める情報を届けてきた。しかし、日本―南アフリカ戦のあった6日とW杯期間中は、交通情報と誰でも無料で入れるファンゾーンの情報に特化することに決めた。
W杯の残り2試合は昼間。特に3試合目の10月9日は平日だ。統括責任者として自転車で現場を駆け回る和田さんは「トラックなど物流車両が多いはずで、試合終了時は帰宅ラッシュとも重なる。曜日と時間帯に合わせて万全の対策をとって臨みたい」と意気込む。高井昭博局長(31)は「他の大手ラジオやテレビにはないきめ細かな情報を伝え、市民に必要とされる存在になりたい。W杯がそのきっかけとなれば」。W杯の陰で小さなメディアが奔走している。【大平明日香】